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死因贈与と預金の注意点 1

2022/08/01
カテゴリー: 死因贈与 タグ: 死因贈与預貯金
佐野 就平






弁護士の佐野です。




弁護士が購読する本に、判例時報という雑誌があります。
雑誌といっても、特徴的な判決やら論文が載っているものですので、文字ばかりの読みにくいものです。

2022年5月21日号の判例時報2513号に、弁護士としてはちょっと気になる判決が紹介されていまし
たので、ここで取り上げたいと思います。

前提としてまずは、死因贈与と遺贈の違いについて触れますね。


目次

 1. 死因贈与と遺贈の違い
 2. 死因贈与と遺贈い大きな違いがありました!
  2.1. どういう事案だったか
  2.2. 古い最高裁判決 債権譲渡禁止特約
  2.3. 今回の東京地裁の判決
  2.4. この事件の背景事情

 3. まとめ


1. 死因贈与と遺贈の違い

 死因贈与は、贈与契約の1種でして、民法549条からの贈与の節の最後の554条に規定されています。

 (死因贈与)
 民法544条 贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。

 
とあります。
 遺贈に関する規定を準用するんだからほぼ同じでしょ、ということです。
 実は、「その性質に反しない限り」というのがミソなのですが、現実問題としては気にすることはほとんどありませんでした。
 相続税も同じようにかかります。


 遺贈は、包括遺贈と特定遺贈というのがあります。

 (包括遺贈及び特定遺贈)
 民法964条 遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。


 包括遺贈は、相続財産の全部または一定の割合を与えるというもので、特定遺贈は、相続財産のうち指定したものを与えるというものです。
 これらは、ばくっと贈与するか、これと決めて贈与するか、の違いです。
 
 ここではこれ以上は書きませんが、一応、死因贈与と遺贈の簡単に主な違いを書いておきますと、

 死因贈与は2人の契約、遺贈は亡くなる方単独の行為
 死因贈与は口約束でもいい、遺贈は遺言でしないといけない

 ということくらいです。
 
 死因贈与は口約束でもいいと言っても、贈与しようとする人は亡くなっているわけで、立証のしようがありません
 結局書面でしないといけないですね。
 となると、そんなに違いはないよね、ということになりそうです。

2022年8月1日

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