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遺言の種類とその保管5

2022/07/04
佐野 就平






弁護士の佐野です。




今回で遺言書の保管については最後の記事になります。やっとですね。


3.6. 遺言書情報証明書の取り扱い


家庭裁判所の検認(民法1004条1項)が不要となっています(遺言書保管法11条)。
これは非常に助かりますね。
そのまま遺言として使えるわけです。


内容を公正証書を意識してしっかりと書いている場合、そのまま公正証書と同じ効果を発揮することになります。
そうでなくても、そのまま遺産分割の根拠にできます。

3.7. 遺言書保管制度のメリットデメリット


メリットとしては、家庭裁判所の検認(民法1004条1項)が必要ないことです(遺言書執行法11条)。
これはとても大きいですね。

また、形式面の確認や本人確認があるので、偽造や変造、記載ミスで無効となることなどが避けられます
これも大きいでしょう。

デメリットとしては、本人が自分で行かないといけない、様式が決まっている、手数料がかかるなどあります。

しかし、公証役場でも本人が行かないといけないですし、公証人に来てもらうにはそれなりに手数料がかかります。

様式が決まっているのも、程度問題です。

手数料も、自分で保管するリスクを考えると、他の手段を選ぶなら多かれ少なかれかかります。


公正証書でも同じですが、遺言を作成して保管してもらった後、違う遺言を書いてしまうと、結局意味がなくなりかねません。

また、あくまで保管してもらうだけで、紛争を防止できる有効な遺言が書けるというわけではありません。

こういったことも、一応デメリットになるかとは思います。


4. まとめ


いかがでしたでしょうか。


やはり、なるべくなら、我々のような専門家にきちんと作成してもらうのがいいとは思います。
こうなった場合はこうという想定をしていて、法的にスムーズな執行ができる遺言、その上で想いが伝わる遺言を作成したいところです。
それを、公正証書で作成して欲しいですね。

ただ、費用の面で、あるいは遺言に向き合う感情の面で、まあそこまではどうかな、ということもあろうかと思います。

そういう場合は、遺言を作成して法務局に預けて、預けたことを誰かに伝えておくか、死んでから分かるように貸金庫や仏壇の中にでも「法務局に預けてるからね」と一筆残しておくのがいいでしょう。

それも面倒なら、自筆で遺言を残しておくといいと思います。

2022年7月4日

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