弁護士の佐野です。
引き続き、離婚を希望する方の男女の傾向を書いていきます。
今回は女性側です。
3. 離婚を希望する女性の傾向
離婚したい妻の場合、結構早い段階から相談に来られます。
離婚するかどうか悩んでいる段階から来られます。
離婚したいと相談に来られても、離婚を決意して来るというよりは、どこか迷いがあります。
でもって、考え方が現実的です。
離婚の一般論から知識を得ようとして、離婚した後の生活ができるかどうかを検討して、ようやく離婚するかどうかを考える、という流れが多いようです。
いろんなことを一気に検討しようとするので、混乱している方も多いです。
男性の場合は、まずは離婚してから、離婚のためにはああすればいい、こうすればいいと、論理的にこうなるよと考えることが多いのですが、女性の場合は、離婚したらあれをしなければならない、これをしなければならないと、生じる問題を全部一気に解決しようとされます。
実際にはそんなことは無理なんですが。
妻が離婚後の生活を具体的に考えるのは、やはり女性の経済力が弱いというところが大きいです。
また、子どもの親権を取りたいということも多く、余計お金のことが気になります。
当然といえば当然でしょう。
専業主婦が当たり前だった時代は、離婚はとてつもなくハードルが高いものだったことは、想像に難くありません。
「嫁に出して」「出戻り」という言葉は、今では差別用語かとは思いますが、まさにそういう決断だったのだろうと思います。
今なお、シングルマザーになるというのはとても大変なんだろうと思います。
逆に、そのあたりがクリアになってくると、妻はかなり前向きになって積極的に行動を起こされるように思います。
「夫にこういうことを言われているけど、そうしないといけないんでしょうか」と悩んでいた人が、何を言われても気にしなくていいんだと分かり、相談だけで晴れ晴れして帰られることもあります。
妻が自分の意思を持つと、おろおろする夫が見え隠れしたります。
DV夫ですらも、支配から逃れた妻に攻撃的ではなりますが、その背景には不安や同様があるように思います。
妻の場合はほんとによく考えて別居なり離婚なりの決断をされるので、自分のほんとの気持ちに基づいていることが多いと思います。
4. まとめ
いかがでしたでしょうか。
あくまで私の個人的な法律相談の経験によるもので、これを書いている段階で、離婚の法律相談の人数は1000人もないかなあと思います。ですので、他の弁護士ならまた違うことを言うかもしれません。
まあ、1人の弁護士の感想だと思って聞いていただければいいのですが、全く的外れとも思っていませんので、皆さんのご参考になれば幸いだと思っています。
別に、離婚を勧めているのではありません。
前述したとおり、こうあるべきだから、ではなく、自分はどうしたいのか、で考えるべきだと思うのです。
幸せの形は結婚だけではありません。
同居だろうが別居だろうが、離婚しようが、家族の距離感はその家族それぞれだと思います。
一方だけが我慢しなければならないのはおかしいし、かといって我慢している方に問題があったりすることもあるし、色々模索してはどうかなと思います。
その際、ほんとは自分はどうしたいの?と問いかけることが重要なんではないかと思っています。
ぜひ皆さんも、離婚の問題に限らず、何かにとらわれて考えるのではなく、素直に自分に向き合ってもらえたらと思います。
2022年3月28日